焙煎におけるソーキング(Soaking)とは?効果や意味を解説
最近、日本の焙煎業界でも良く耳にするSoaking。しかし、インターネットで「焙煎 ソーキング」と調べても詳しい情報は出てきません。焙煎では一体どのような用語でどのような技術なのでしょうか?
Soakingとは
”Soaking”直訳では『液体浸る』という意味ですが、焙煎において実際に水で浸すわけではありません。
焙煎におけるSoakingとは、豆を投入後の1〜2分間、もしくは中点(ボトム)までガス圧を0か低いところでキープする手法のことをいいます。つまりドライングフェーズ内での話です。
Soaking後は、徐々にガス圧を上げていくことが推奨されていますが、一気に熱を上げる方もいらっしゃるそうです。
参照:The Soak
以下の動画で群馬県高崎市にあるカフェ「warmth」のHiroki FukushimaとAilloi Japanのコラボ動画にて12:25あたりでソーキングという言葉が出てきます。
Soakingの必要性
なぜSoakingという技術が使われているのか?
Soakingをすることにより、熱をゆっくり豆の中心部まで伝えることができ、均一に熱を与えることができます。もちろん強い火力に耐えられる豆であればSoakingは必要ないかもしれません。しかし、豆が弱く高火力に耐えられない豆の場合Soakingをすることで、豆の表面を焦がすことなく中心部に熱を伝えるというのが主な目的です。
弱い火力が必要とされる豆の特徴
【水分値が低い豆】
- 水分率が低くいと熱伝導率が悪く中心まで熱が伝わりにくいので、強い火力だと外側だけが焦げやすくなっていまします。そのため、低い投入温度に設定しましょう。
【軟質な豆(低地)】
- 生豆の密度が低いとそのぶん熱が伝わりにくいため、表面に与えられた熱はゆっくりと中心部に伝わります。そのため、高火力だと表面だけ焦げてしまう生焼けの可能性が高まります。
【ナチュラルプロセス】
- ナチュラルプロセスでは、果肉が豆に残った状態で精製されます。このため、糖分が豊富であり、焦がさないように注意が必要で、弱火での焙煎が推奨されます。
- ナチュラルプロセスやハニープロセスでは、その甘さを引き立てるためにゆっくりと焙煎し、特有の香り、甘さ、ボディを際立たせることが一般的です。
【デカフェ】
- デカフェはそのカフェイン除去法により、重量や豆の細胞壁の強さが一般の豆に比べて低い特徴があります。そのため、低めの投入温度が推奨されています。
このような特徴がある豆や、焙煎した豆が少し青臭い印象(Underdevelopment)の場合にはSoakingをすることで、豆の内部まで熱を均一に与えることができます。