【焙煎手順②】欠点豆をハンドピッキングしよう。12種類と見分け方、悪影響を徹底解説

欠点豆とは、生豆に混入している不完全な豆のことです。これらは、「コーヒーの味」「焙煎」に悪影響を与える豆で、「傷んでいる豆や異物が混ざっている不良豆」が欠点豆となります。

コーヒーの生産地でコーヒーチェリーを収穫し精製する過程の中で、豆の選別と異物排除を行う工程はもちろんありますが、完璧に取り除くのは難しいんです。

そのため、生豆を焙煎する前には欠点豆を取り除く事が推奨されていて、この作業を一般的に生豆のハンドピッキングといいます。生豆の種類にもよりますが5%~10%の割合で混入しているので、は捨てなければいけないことを覚悟しましょう。

では、どの様な欠点豆の種類があって、取り除かないとどの様な悪い影響があるのでしょうか?

欠豆

精製や運搬の過程で部分的に、欠けたり割れたりりしてしまった豆。コーヒー豆らしい楕円の形をしいていないので目視でも分かりやすく、発見することが出来ます。

主に外的要因によって欠点豆になってしまう場合がほとんどで風味に悪影響はありませんが、火の通りが不均一になりますし、見た目も良くないので取り除きます。

潰れ豆

これも、精製や運搬の過程で潰れてしまっている豆。

潰れ豆も風味に悪影響はありませんが、欠豆と同じ理由で取り除きます。

貝殻豆

精製の過程で中身が抜け落ち空洞になっっている豆。

空洞がある為、焙煎時に火が入りやすく焼きムラが目立ったり、抽出時に混ざってしまうと少し焦げた印象にもなります。

発育不良豆

遺伝子異常や成熟していないうちに収穫されてしまうなどの要因で、正常に成長できなかった豆。小さいものや、成熟前に摘み取られいびつなものなどがあります。

嫌な酸味や渋み、青臭さなどの原因になるので出来るだけ取り除きましょう。

発酵豆

精製の過程で発酵しすぎてしまった豆を「発酵豆」と言います。発酵槽に長く漬けすぎたり、発酵槽の汚れ・水の汚染などが発生の原因です。

刺々しい味やすっぱみの原因になるため、必ず取り除きます。さらに不適切な乾燥や過発酵などで黒く変色したものが、「黒豆」です。こちらも、不快な異臭や雑味になるので、必ず取り除きます。
発酵初期の豆の見分けが付きにくく、側面や裏側のみなど部分的に発酵しているものもあるため、見落とさないよう注意が必要です。

黒豆

発酵豆の一種ですが、完全に発酵しきって真っ黒になったもの。また、カビ豆のカビが進んだものも黒く萎縮するので黒豆のようになります。

これらは、腐りきった豆ですので腐敗臭を発する原因となります。コーヒーの抽出液に1粒でも混じると強烈な異臭を放つので、必ず取り除きます。

カビ豆

コーヒー豆の表面や割れ目に、青カビが生えている豆。虫食いや収穫から保管の過程で発生します。

カビ臭、えぐみ、すっぱみなど、風味に重大な悪影響を与えるため、必ず取り除きます。

虫食い豆

コーヒー豆の表面にポツポツと黒い穴が空いている豆があったら、それは「虫食い豆」の証拠。時間が経っていると、穴からカビが発生します。

異臭や濁りの原因になりますので、必ず取り除きます。

死豆

成熟はしたものの、何らかの理由でその後死んでしまった豆。正常な豆と比べて色が白っぽいだけなので、とても判別が難しい欠点豆です。
焙煎してもあまり色付かず白っぽいままなので、取りこぼしていても焙煎するとすぐに分かります。しかし、深煎りの場合には発見が難しくなります。

風味そのものが希薄で、異臭の元になるといわれていますので出来る限り取り除きましょう。

パーチメント

パーチメントと呼ばれる果肉の内側にある内果皮が、取り除かれずに残ってしまっているもの。この皮の内側に生豆があります。

えぐみ、渋みの原因にもなります。また、煎時に火のとおりが悪くなるので、煎りムラが生じます。

異物(小石)

小石を見逃すとミルが壊れてしまう危険があります。

異物(トウモロコシ)

取り除かないとポップコーンができてしまいます。

今回は代表的なもののみ紹介しましたが、欠点豆の種類はこれで全てではなく、他にも色々あるんですよ。
この様な欠点豆をひとつひとつ丁寧に取り除くことで、コーヒー豆が持つ本来の風味、雑味のないクリアな味わいになるんです。