【レビュー】ユニオン「サンプルロースター 手動式」を使ってみた感想
この記事では、ユニオン(UNION)の手動焙煎機「サンプルロースター」を使ってみた感想を,その特徴と共に紹介します。
サンプルロースターはこんな人にピッタリの焙煎機です。
- 温度計、テストスプーンを手動焙煎機でも使用したい
- 一台で長く使える焙煎機が欲しい
- 一回で多くの豆を焙煎したい
この記事では、実際に使ってみた感想などもふまえながら、製品のスペックや魅力をご紹介したいと思います。
目次
サンプルロースターの特徴
サンプルロースターが他の手動焙煎と違う点は「6つのポイント」があります。
- 半熱風式と直火式を選べる
- 温度計、テストスプーンが利用可能な構造
- 二重ドラム構造による蓄熱
- 壊れにくい耐久性
- メンテナンスのしやすさ
- 一回で焙煎できる豆の多さ
半熱風式と直火式を選べる
サンプルロースターには、ドラム(本体)に穴が空いていないものと、開いているものの2種類があります。
この2種類、どちらを選ぶかによって焙煎した豆の風味が大きく変わってきます。
【パンチング穴無し(半熱風式)】
- 特徴
- 柔らかく、クリーンで、透明感のある味わい
ノーマルタイプ(パンチング穴無し)の焙煎機は、ドラムが全体を覆っていて、豆が直接炎に触れない設計になっています。このため、温度を細かく調整しやすく、焼きムラを防ぐことが可能です。この方式は、半熱風式焙煎機と似た特性を持ち、柔らかく、クリーンで、透明感のある味わいのコーヒーを作ることができるのが特長です。
【パンチング穴有り(直火式)】
- 特徴
- コクや深みのある味わい、スモーキーな風味
パンチング穴があるモデルの焙煎機は、ドラムの表面がメッシュ状になっているため、熱が直接コーヒー豆に伝わります。この設計により、コクや深みのある味わい、スモーキーな香りを持つコーヒーを焙煎することができますが、火力の調整がより繊細に必要になります。
温度計、テストスプーンが利用可能な構造
この焙煎機は、温度計を使いながら予熱できる開放型の投入口を備えており、理想の温度になった時点でいつでもコーヒー豆を加えられる機能が魅力的です。温度計を利用することで、毎回同じ温度での焙煎が可能になり、焙煎のバラツキも少なくなります。
また、焙煎中の豆の様子を細かくチェックできるテストスプーンが付属していて、プロのような焙煎家庭を楽しめるのも魅力の一つです。しかし、投入口が一つだけであるため、温度計とテストスプーンを同時には使用できない点が少々不便な点です。
二重ドラム構造による蓄熱
パンチング穴のないタイプの焙煎機は、蓄熱性が高く、外部の温度変化から保護する二重ドラム構造を備えています。この設計により、安定した温度でコーヒー豆を均一に焙煎でき、ムラを減らし、豆をふっくらと仕上げることが可能です。また、二重ドラム構造により火による温度変化が緩やかで、焙煎プロセスがより管理しやすくなります。この設計は、連続焙煎時の燃料消費も抑えるため、効率的です。
一方、パンチング穴があるタイプは、外気の影響を受けやすく、火が直接豆に当たるため、温度の調節がより難しいという特徴があります。このため、温度管理には細心の注意が必要になります。
耐久性とメンテナンスのしやすさ
この焙煎機は、耐久性に優れたステンレス製のドラムと頑強な鋳物製の土台を採用しています。電気部品を一切使用していないため、非常に丈夫で、簡単には壊れません。実際に、私が5年間使用している現在も現役で焙煎しています。
メンテナンスも非常に簡単で、ドラムの洗浄と潤滑油の塗布のみで良いため、5年以上も長持ちする点は特に優れています。
一回で焙煎できる豆の多さ
片手鍋でのコーヒー豆の焙煎では、一回あたり最大で平均約生豆100gしか焼けないため、毎日たくさんのコーヒーを飲む人にとっては、何度も焙煎しなければならないという大きな手間がかかります。
しかし、ユニオンサンプルロースターを使えば、一度に最大約500g程のコーヒー豆を焙煎できるようになります。これは、片手鍋での焙煎量の約5倍に相当します。小規模な焙煎機を使っており、頻繁に焙煎することによる負担を感じている人にとって、ユニオンサンプルロースターは、その負担を大きく軽減できる便利な選択肢となります。
使ってみたデメリット
- 排気システムが無く、風味が曇りやすい
- キッチンのガス代では使えなかった
排気システムが無く、風味が曇りやすい
パンチング穴がないタイプの焙煎機は、排気システムがないため、水分と煙が内部に溜まりやすいという特性があります。この結果、水蒸気、煙、そしてチャフ(焙煎時に剥がれ落ちる豆の皮)がコーヒー豆に付着し、風味を損ねる傾向が若干ある様に思います。排気の問題を感じる人の中には、改善のためにドラムに穴を開ける人もいます。
焦げたチャフが原因で出来上がったコーヒー豆に燻り臭が生じることもありますが、豆を深煎りにしなければこの問題は少ないです。
一方で、パンチング穴があるタイプでは、上記の問題は生じにくい代わりに、チャフが周囲に散らばりやすくなるという掃除の問題が出てきます。
また、深煎りを好む場合、多くの煙が発生するため、屋内でフレンチローストやイタリアンローストを行うと、家の中が煙で満たされる可能性があります。そのため、屋外での使用を除いて、このタイプの焙煎機は深煎りにはあまり適していないかもしれません。
キッチンのガス台では使えなかった
これはかなり残念でした。このサンプルロースターを回す取手の円周は長く扱いやすいのですが、キッチンのガス台の上に置くと取手が長いためガス台に当たり回すことができませんでした。
また、自宅のキッチンのガス台では、安全装置が働き、すぐ弱火になってしまうので、焙煎には使えないという事が判明し、焙煎用にカセットコンロを購入することにしました。そのため、ガスコンロを買う覚悟で購入した方が良いかもしれません。結果的には、カセットコンロならどこでも焙煎出来ますし、チャフの掃除もしやすい為、良かったかなと思います。
まとめ
このようにユニオン(UNION)の手動焙煎機「サンプルロースター」は、火力調節が簡単で、味が籠る可能性があるが「蒸らし」ができ、味がしっかりしているパンチング無しタイプか、操作が難しく「蒸らし」が出来ないけど、その分クリアな味がになるパンチング無しタイプを選ぶといったところです。
温度計、テストスプーンが使用可能なので、より深い焙煎プロファイルを再現できるところも大きなポイントです。
壊れにくく、一回の焙煎で多く焙煎したい人にお勧めの焙煎機です。
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