世界最高峰の手動コーヒーグラインダーのおすすめ

コーヒーのプロフェッショナルたちも愛用する世界最高峰のグラインダーは、世界中のバリスタや愛好家から高く評価されています。実際に、数々のチャンピオンバリスタが使用し、その性能の高さを証明しています。そんな、世界最高級の手回しグラインダー(ミル)は一体なんなのか、トップたらしめる理由を解説してみます。

良いグラインダーとは

主に性能が高いグラインダーと言われているのは

  • 粒度分布
  • 微粉の混入

この二つが少ないグラインダーです。

【粒度分布】とは簡単に言うと挽いた豆のサイズの均一性です。

豆を挽いた際に、全ての粉のサイズが完璧に一致するということはなく、大きすぎたり小さすぎる粉が出てきます。ばらつきの大きい粉では湯の浸透速度が違うため、成分の抽出速度が変わってきます。小さい粉では過抽出(良くない味まで抽出してしまうこと)に、大きい粉では未抽出(良い味を抽出できていないこと)の原因になってしまうので、均一性が大事になってきます。

また【微粉の混入】が多いと加抽出になりやすく、えぐ味や雑味のある後味、ザラつく舌触り等のネガティブのあるコーヒーになってしまいます。この微粉はコーヒー豆をミルで粉に挽く際に、砕かれて発生します。そのため、質の高い刃を使用することで「砕く」現象よりも「切る」割合の方が多くなり微粉を減らすことができます。

グラインダーの種類

代表的なのは4種類。

  • ロールグラインダー(ロール状の2つのグラインダーで豆を粉砕する方式)
  • フラットカッター(ディスクと呼ばれる、円形状の2枚の刃で粉砕する方式)
  • コニカルカッター(円錐形の2枚の刃の組み合わせのグラインダー)
  • ブレードグラインダー(2枚のプロペラ刃が高速回転してコーヒーを粉砕する方式)

コーヒー豆を粉砕する仕組みや刃(Burr)の種類が異なります。粒度分布性能は高い順から、ロール>フラット>コニカル>ブレードの順に。そして、基本的に手挽ミルの大半はコニカル式になっています。

また、刃の【直径】と【素材】ともグラインダーの性能に影響してきます。

イギリスのwebサイトPerfectdailygrind.comによると、大きな刃は小さな刃よりも効率的かつ均一にコーヒーを挽くことができます。これは、切削面が大きいためより速く挽くことができ、熱や摩擦が少なくなるからです。その結果、粒度分布がより均一になり、カップの中のばらつきが少なくなります。

同サイトでは【素材】についても触れており、現在発売されているミル刃の材質は、金属刃かセラミック刃のどちらかがほとんど。いわゆる高性能とされるコーヒーミルには金属刃を使用しているものが多い。

【セラミック刃】は、耐久性に優れ、熱が発生しにくく、水洗いができるという利点はあるものの鋭利な加工がとても難しい。一方【金属刃】は刃こぼれなどの面で耐久性には少し劣り、熱が発生しやすいというデメリットがあるものの鋭利な加工ができるため切れ味がよい。

では、世界最高峰のグラインダーを見ていきましょう。

1ZPresso(イージープレッソ) K–Ultra

世界のトップバリスタ達が認める1Zpresso K-Ultra

【WBrCチャンピオンも愛用!世界が認めたグラインダー】

1Zpressoは、世界的に有名な精密機器工場のエンジニアが開発した台湾発のブランド。2014年の設立以来、WBrC(ワールド・ブリュワーズ・カップ)などの国際競技でチャンピオンたちが使用するグラインダーとして話題を集めています。

数多くの「ハンドドリップ」や「エアロプレス」の大会で、歴代チャンピオンたちも公式に使用を公表しています。1Zpressoの公式ページにてK–Ultraを使用した歴代チャンピオン達を紹介しています。

【K-Ultrが生み出すフレーバープロファイル】

K-Ultraが生み出す味の特徴は、コマンダンテに似ていて「バランスの取れた風味」「複雑なフレーバー」「鮮やかな酸味」「豊かなボディ」が特徴です。

値段税込43,080円
刃の形状コニカル式(7枚刃)
刃の直径48mm
刃の素材ステンレス鋼
豆容量35g
挽き目エスプレッソ〜コールドブリュー(0 – 1400 microns)
味わいの特徴バランス、明るめ、複雑な味わい、酸味、しっかりしたボディ

1ZPresso(イージープレッソ) ZP6

世界トップレベルのクリーンな味わい

【WBrCチャンピオンも使用!プロが選ぶ至高のハンドドリップ専用グラインダー】

1Zpressoの「ZP6」は、ハンドドリップコーヒー用に設計され、極めて均一性の高い挽き目を実現する刃を備えています。ZP6の最大の特徴は、1Zpressoのラインナップの中で最も微粉の発生が少ないこと。ZP6もK–Ultra同様に数多くの世界一バリスタが使用しており、優勝したバリスタの大多数が、ドリップ競技で「ZP6」もしくは「ZP6 Special」を使用しています。

【K-Ultrが生み出すフレーバープロファイル】

味わいの特徴は、「バランス」「クリーン」「酸味」「スウィートネス」がカップに現れやすいグラインダーです。

値段税込31,638円
刃の形状コニカル式(7枚刃)
刃の直径48mm
刃の素材ステンレス鋼
豆容量30g
挽き目ハンドドリップ〜コールドブリュー(340 – 1400 microns)
味わいの特徴バランス、クリーン、酸味、スウィートネス

Comandante(コマンダンテ) C40 MK4

世界で最も有名なグラインダー

【ドイツの精密技術が生み出す究極のコーヒーミル】

2005年に誕生したComandanteは、コーヒー専門家や愛好家たちの手によって設計され、最高級の素材を使用したハンドメイドグラインダーとして世界中で評価されています。

その品質と性能の高さから、数多くの著名人やプロフェッショナルが推奨。WBrC(ワールド・ブリュワーズ・カップ)などの国際大会で優勝するバリスタの多くが愛用しています。

特に、世界的に有名な**「粕谷哲」氏や「岩崎泰三」氏も、「Comandanteさえあればなんとかなる」と絶賛するほど。その信頼性と実力は、折り紙付きです。

一番の特徴は、精製するのが非常に困難な7枚刃のNitro Blade(ニトロブレード)。ニトロブレードとは、ステンレス鋼に窒素を添加して高硬度と耐摩耗性が大幅に向上したブレーです。特殊な機械と数多くの職人により、1つ1つ手作業で刃をカッティングしており、微粉の発生を抑える設計として特許を取得しています。

【コマンダンテが生み出すフレーバープロファイル】

味わいの特徴は、「スウィートネス」「複雑な風味」「酸味」「ボディ」がカップに現れやすいグラインダーです。

値段税込60,400円
刃の形状コニカル式(7枚刃)
刃の直径39mm
刃の素材ステンレス鋼(※ニトロブレード)
豆容量40g
挽き目エスプレッソ〜コールドブリュー(0 – 1090 microns)
味わいの特徴スウィートネス、複雑な味わい、酸味、しっかりしたボディ

※ニトロブレードとは、ステンレス鋼に窒素を添加して高硬度と耐摩耗性を実現したとのことです。

Kinu(キヌ) M47 Classic

歯科医が生み出した精密グラインダー

Kinuは、家庭用と商業用の高品質グラインダーの設計と製造を専門とする2014年に設立されたドイツの会社です。グラインダー機構を開発したのはドイツの歯科医、エドゥアルド・ビエルナテク博士。歯科医ということもあり、精度、耐久性、人間工学に基づいたデザインに重点を置いています。

主に「エアロプレス」と「ハンドドリップ」の大会チャンピオンが使用していることが多いグラインダーです。コーヒー業界で知らない人はいないJames Hoffmann(ジェームズ・ホフマン)は彼の動画でコマンダンテを抑えKinuグラインダーを薦めしています。

「無段階調節」とはよく聞くものの、Kinuは5ミクロン単位での精密な粒度調整が可能。これは、他の多くのグラインダーにはない圧倒的な精度です。この調整力により、豆の個性を最大限に引き出し、シンプルながら奥深い味わいを表現できます。

【Kinu M47が生み出すフレーバープロファイル】

味わいの特徴は、「スウィートネス」「クリーン」「シンプルな味わい」「豆の個性の強調」がカップに現れやすいグラインダーです。

値段税込66,000円
刃の形状コニカル式(6枚刃)
刃の直径47mm
刃の素材ステンレス(※Black-fusionコーティング)
豆容量40g
挽き目エスプレッソ〜コールドブリュー(0 – 1400 microns)
味わいの特徴スウィートネス、クリーン、シンプルな味わい、豆の個性の強調

※Black-fusionコーティングとは、刃を保護しより長期間にわたって優れた性能を発揮させるKinu独自の処理です。

Timemore(タイムモア) Chestnut X

デザインと革新が融合したプレミアムグラインダー

中国発の革新的ブランド「Timemore(タイムモア)」のフラッグシップモデル、Chestnut X。2012年に設立されたTimemoreは、スターバックスの厳格な品質基準をクリアし、公式パートナーとして認められるほどの信頼性を誇ります。

【世界が認めるデザインと技術力】

Timemoreは、デザイン性と機能性を両立したプロダクトでグッドデザイン賞を受賞。Chestnut Xも、その美しいフォルムと高精度な性能で、多くのコーヒー愛好家から高い評価を得ています。

特筆すべきは、独自開発の「S2C(スパイク To カット)」刃。この技術により、豆を突き刺してからカットすることで、より均一で理想的な粒度を実現します。

【Chestnut Xが生み出すフレーバープロファイル】

味わいの特徴は、「スウィートネス」「複雑な風味」「酸味」「ボディ」がカップに現れやすいグラインダーです。

値段税込37,400円
刃の形状コニカル式(6枚刃)
刃の直径42mm
刃の素材ステンレス鋼
豆容量30g
挽き目エスプレッソ〜フレンチプレス(80 – 980 microns)
味わいの特徴スウィートネス、複雑な風味、酸味、ボディ

KinGrinder(キングラインダー) K6

高品質×コストパフォーマンスの新定番

KinGrinderは、2020年に台湾で設立されたグラインダーメーカー。コマンダンテや1Zpresso(イージープレッソ)と比較されるほどの性能を持ちながら、より手に取りやすい価格帯で提供されています。

「安いのにハイクオリティ」と評され、すでに世界中のコーヒー愛好家に支持されるブランドへと成長を遂げています。

【K6が生み出すフレーバープロファイル】

味わいの特徴は、「バランス」「複雑な風味」「酸味」「ボディ」がカップに現れやすいグラインダーです。1ZPresso(イージープレッソ) K–Ultraに似ている味わいです。

値段税込18,862円
刃の形状コニカル式(7枚刃)
刃の直径48mm
刃の素材ステンレス鋼
豆容量35g
挽き目エスプレッソ〜コールドブリュー(0 – 1350 microns)
味わいの特徴バランス、複雑な風味、酸味、ボディ

「コーヒーのプロフェッショナルたちも愛用するこれらのグラインダーは、世界中のバリスタや愛好家から高く評価されています。実際に、数々のチャンピオンバリスタが使用し、その性能の高さを証明しています。

また、各ブランドのグラインダーは職人技による精密な設計のもと製造されており、その完成度の高さから一部のモデルは入手困難になることもしばしば。特に人気の高いモデルは、在庫がなくなる前に確保するのが賢明です。

さらに、高品質なグラインダーを選ぶことで、日々のコーヒー体験が格段に向上します。酸味のバランス、甘みの引き立ち方、豊かなアロマ――まるでプロが淹れた一杯を自宅で楽しめる喜びが、あなたを待っています。