コーヒーを濃度からアプローチする【TDS】とは
TDSとは?
最近では当たり前になってきているこの”TDS”。
TDS|コーヒーの濃さ
TDS=Total Dissolved Solids 「総溶解固形分」の略称で、液体の中に水以外の成分がどれだけ入っているかを表す数値となっています。
TDSの数値が高いとコーヒー成分の溶け出しが多く、濃度が高い・味の濃いコーヒー、TDSの数値が低いと濃度の低いコーヒーという結果で数値化が可能です。いたってシンプルです。
なぜこのTDSが重要になってきているのか。
主に店で出すコーヒーや、新人教育など、味覚だけに頼らず数値で濃度を知ることができ、同じ味を提供するためのツールとして使用します。また、大会に出る時なんかもSCA(Specialty Coffee Association)により定められた適正数値を参考にすることでジャッジが求めている味に近づけることもできます。
そして、TDSとセットで出てくるのがBrixと収率。少しややこしくなりますが難しくはありません。
収率|豆の成分をどれだけ取り出せたか
収率とはコーヒー豆からどれだけの成分を取り出すことができたかを数値化したものです。
TDS数値 × コーヒー出来上がり量 ÷ 使用豆g
で収率を求めることができます。
収率の値が大きいほど、コーヒー豆から多くの成分を取り出せたことになり、効率よく抽出が行えたということになります。一見TDSと混同しそうになるのですが、TDSは出来上がったコーヒーの濃度を測定しており、収率はコーヒー豆から取り出せた成分の多さを測定しています。
Brix|糖分の割合
Brixとは、ショ糖(糖分)がどのくらい液体中に溶けているのかを数値化したものです。
まとめると
- TDS=コーヒーの濃さ
- 収率=豆の成分をどれだけ取り出せたか
- Brix=糖分の割合
このようになっています。
TDSと収率の最適数値|美味しいコーヒーの条件
そしてTDSと収率は、どちらもSCA(Specialty Coffee Association)により適正数値が定められており
- TDS:1.15%~1.35%
- 収率:18%~22%
となっています。TDSと収率のどちらも適正値の場合が、濃度も抽出もバランスが取れている理想的なコーヒーとされていますが、あくまでも指標ですので囚われすぎず自分の好みの数値を探すことが大事です。
TDSの測り方
数値の計測には、専用の濃度計測器が必須になります。
代表的なものは〈ATAGO(アタゴ)〉で、プリズムを利用した光の反射でコーヒーの濃度が測定できます。
ATAGOの公式webサイトでは34,650円で販売されています。
もう少し安いTDS計が欲しいという方には、
〈DiFluidコーヒー TDS濃度計〉がおすすめです。
スマホのアプリと連動して濃度の他に収率も記録できるようになっており、アタゴとの誤差も0.03%程度と、有名かつ優秀なTDS計です。こちらはAmazonでも出店されておりレビューを確認することもできます。